「ECプラットフォーム」の実現に向けた製品戦略を発表

コーポレート

株式会社ロックオン(大阪市北区 代表取締役:岩田 進)は、「ECプラットフォーム」の実現に向けた製品戦略について、次の通り発表致します。

株式会社ロックオンの製品戦略について

 私たちは、デジタルマーケティングおよびECの分野において、主に事業を展開しています。どちらの分野も日進月歩の世界です。国内外を問わず、毎日のように新製品が発表され、提携や買収の話がメディアを賑わせています。こうした中で私たちが、どういった市場認識を持ち、どのような方向性の製品戦略を持っているのかをまとめました。

アメリカのアドテクノロジーは、そのまま日本に当てはまらない

 情報通信白書平成22年度版によると、人口に対するインターネットの普及率は78%に達しています。特に近年では、各種モバイル端末からソーシャルメディアを利用する層も広がりを見せており、デジタルメディアは以前にも増して、生活者の日常と密接な関係を持つようになりました。そして、インターネットへ接触する人口や時間の増加に伴い、マーケティング業界でも、リターゲティング、DSP、RTB、オーディエンスターゲティングといった「アドテクノロジー」が脚光を浴びています。

 アドテクノロジーは、そのほとんどがアメリカで発達した考え方です。人々を様々な尺度で分類し(セグメンテーション)、最適な広告をマッチングさせるという考え方が根幹ですが、こうした考え方がアメリカで発達したことには理由があります。アメリカは世界でもまれに見る多民族国家です。ヨーロッパ、アフリカ、中東、南米、アジアと様々な国からの移民で成り立ち、最も人数の多いヒスパニック系アメリカ人でも全体の18.5%でしかありません。そこへ州制度や宗教、多様な地理環境といった要素が相まって、日本人には想像できないような文化的・経済的多様さが生まれています。これらの社会的背景から「人種や地域によって考え方も行動もまったく違う」という考え方が根強く前提として存在します。
 この多様性の中でマーケティング効果を最大化するため、アメリカではマルチカルチャーマーケティング(多文化マーケティング)が古くから発達し、それがインターネットと結びついて進化してきたのがアドテクノロジーでした。多種多少なネットメディアと広告を、多種多様な生活者にマッチングさせようとすると、膨大な組み合わせが存在します。それらを、できる限り人手を介さず自動化するというニーズが高かったのです。サーバサイドの技術的進歩もアドテクノロジーの発展を後押ししました。
 そして、いつものように数年遅れでアドテクノロジーは日本に上陸しました。新しい手法として広告業界は湧いていますが、果たして日本でも、アドテクノロジーは効果的なのでしょうか。
 日本にはアメリカほどの多様性は存在しません。民族的にも経済的にも、比較的統一された価値観を持った人々で構成されています。だからこそ、「以心伝心」だとか、「遠回しな表現」とか、「空気を読む」のような、微妙なコミュニケーションが成立するわけです。広告メディアを見ても、アメリカと大きく異なるのがわかります。新聞は多くの地域で全国紙がシェアの大部分を占め、テレビも5局程度の全国ネット+αです。ネットメディアでも、片手で数えられる程度のポータルとSNS、ブログ媒体がディスプレイ広告の多くを占めています。大陸の国々と比べると生活者のバリエーションもメディアのバリエーションもかなり限られているのです。

 このような背景の違いから考えると、そのままアメリカのアドテクノロジーを日本に持ち込むことには懐疑的にならざるを得ません。おそらく考え方の一部を利用しながら、別の進化を遂げることになるのではないかと考えています。

 そして、アドテクノロジーは今後、重要度を増してくるとは思いますが、あくまでもマーケティング活動のごく一部です。例えばオンライン広告の業界相関図である通称カオスマップに大きなブランドロゴを載せることなどには、私たちの興味はあるはずもなく、もっとマーケティング活動全体を支援したいと考えています。その一部としてアドテクノロジーが存在するという認識です。

「ECプラットフォーム」の提供によって、マーケティング活動を支援したい

 マーケティングとは本来、顧客候補を発掘するところから、購買・契約を促し、その後もコミュニケーションを続けることで固定顧客化(ロイヤル化)への変容を促し、さらに顧客連鎖を促進する一連の行為を指すはずです。
 ところが多くの企業では、これら一連の流れをシームレスに行えていないのではないかと、私たちは考えています。
 広告では、CPAといった指標でコンバージョンの最大化を追求するだけで終わっていないでしょうか。CRMでは、既存顧客とのコミュニケーションのみにフォーカスしてしまい、そこから得られた情報を集客活動にフィードバックできていないケースが多々見られないでしょうか。
 もっとECにおける集客から販売、ロイヤル化への流れを、同じシステムの中で簡単に一貫して行えるようになれば、マーケティングの質は飛躍的に向上するのではないかと考えています。
 この一つの解として、私たちが提案を目指すのが、『ECプラットフォーム』の提供です。
 私たちはこの実現に向けて、設立から10年かけて、個別のサービスとして整備してきました。
 まずは、効果測定ソリューション「アドエビス」。国内では、アドエクスチェンジ/DSPを中心とする広告エコシステムに前記の主要媒体が参加していないことから、自動化の影響が限定的にとどまっています。そのため相対的に人手が間に入る効果測定の重要性が高く、独立した効果測定の需要が存在しています。
 そして「アドエビスAutoBid」では、現在はリスティング広告に限っていますが、最適化・省力化を実現します。対象商材に合わせて、自動的にキーワード生成、広告文生成、単価設定を行い、入稿業務を行うことができるのです。さらに測定した効果に基づき、それぞれを調節する最適化も自動で行います。
 アドエビスによる丁寧な広告効果測定、驚くほど人手と経験を要する広告最適化・自動化は、限られた予算で行われるマーケティング活動を最大化します。

 ECオープンソース「EC-CUBE」は、名実ともに国内No.1ECオープンソースです。広告効果測定とは、シナジーのないサービスとも捉えられることがありますが、決してそんなことはありません。上述の通り、広告の最適化はマーケティング全体からすると、一つの部品でしか無く、重要な顧客接点であるWebサイト抜きに考えることはできません。また、そのサイトも、売り場として考えるならば商品を登録するだけでできあがる画一的なサイトでは、微妙なコミュニケーションが必要とされる日本で成立するとは思いません。No.1オープンソースとして皆様に愛されている「EC-CUBE」にはその売り場をつくる用意があります。

 これまでは、「アドエビス」「アドエビスAutoBid」「EC-CUBE」の3つを、それぞれ意図的に独立した存在として展開していました。
 それは、単体でも十分に価値を提供できるということと、単体として競争力のないサービスの集合体には、あまり意味が無いと考えていたからです。しかし、バージョンアップを重ねることで、これらのサービスも進化を遂げ、十分な実績と知名度を残すに至りました。
 今後は、これらのサービスを連携させることで、集客から販売、CRMまでを一貫して行えるECプラットフォームの提供企業になることを目指します。

第一弾はリクルート社と共同開発した「物件連動型リスティング広告システム」

 株式会社リクルート様と共同で開発した「物件連動型リスティング広告システム」は、こうした考えが結実した一つの好例です。
 SUUMOのDBと連携し、SUUMOに不動産情報が登録・削除されれば、リアルタイムにGoogle、Yahoo!に入稿・最適化・削除までを自動で行います。

 これはほんの一例ですが、これからも『ECプラットフォーム』を通じて、企業とお客様のハイレベルなコミュニケーションを支援する高品質なサービスを提供していきたいと考えています。
 日本のマーケティング活動は、独特かつ世界的にみても非常に高いレベルにあると思っています。ECプラットフォームがさらに進化を促進することで、日本流の「おもてなし」が、世界に向けてインパクトを与える第一歩になると考えています。

株式会社イルグルム概要
会社名 株式会社イルグルム
大阪本社 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスENTオフィスタワー8F
東京本社 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-2-1 X-PRESS有楽町12F
代表者 岩田 進(いわた すすむ)
設立 2001 年6 月4 日
事業内容 マーケティングDX支援事業
コマース支援事業
URL https://www.yrglm.co.jp/
◎米子会社概要
会社名 :LOCKON marketing of U.S.A inc.
所在地:米国カリフォルニア州サニーベール
設立 :2010 年11 月

2019年7月31日以前の記事は、旧商号「株式会社ロックオン」で記載しております。

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