2008年度 年頭所感

2007年、株式会社ロックオンにとって、ようやく”Imapact”の一端が具現化した1年となりました。

主力製品である広告効果測定システム『アドエビス』(SaaS事業部)は、導入社数1000社を超え、シードプランニング社の市場調査でもベンダーシェアNo.1と認められるに至りました。
また、ECオープンソース『EC-CUBE』(OSS事業部)は、急速に普及し、秀和システム社から公式ガイドブックが出版されることとなりました。公式ガイドブックの執筆はすでに完了し、2008年1月には、一般の書店にも並ぶことが決まっています。

そして、これら2事業部は、単に2つの事業部というだけではなく、相互にリスクヘッジと高いシナジーを実現する構造となっています。

デジタルマーケティングは、大きく誘引施策(広告)と受け皿側の施策(Webサイト)にわけることができますが、SaaS事業は、誘引施策を対象とし、流通 は、広告代理店を主体としていました。一方、OSS事業は、Webサイトを対象とし、流通は、制作・開発会社を主体としていました。
また、 SaaSは、サービス特性から、サービスをワンシステムに集中することで、安価に高付加価値なサービスを提供することが特徴であり、裏を返せば、特定のシ ステムに依存するリスクの高い形態となっています。これに対して、OSSは、ソースコード自体を頒布することにより、全くSaaSの対極とも言える形態と なっています。
そして、収益構造という点においても、SaaS事業は、お客様から、1社あたり数千円~数万円対価をいただくという2社間(ロック オン-お客様)の関係となっているため、堅実な収益構造となっているのに対して、OSS事業部では、価値を提供する対象者からは対価をいただかず、間接的 な収益を上げるスキームであるため、爆発力を秘めた収益構造を目指しています。

このように、相互の弱みを補完する事業構造でありながらも、ともにデジタルマーケティング活動を行う企業に向けたサービスであることで、相互に高いシナジー効果を見込むことが可能な事業ポートフォリオとなっています。

これらの事業を発展させることができたのも、2007年第1の目標として掲げた、内部管理体制の向上があったためであります。

そして、2008年は、以下の3つのテーマに挑戦致します。

[1]効果測定の次の市場を開拓
効果測定市場は、まだまだこれからの市場であることは間違いありませんが、効果測定市場を引き続き開拓することに加え、これまで培ってきた広告テクノロジー活用して、広告主企業様、広告代理店様に対して、新しい付加価値を提供すべく邁進して参ります。

[2]オープンソースビジネスモデルの確立
オープンソースは、プロダクトそのものが無償であるため、ビジネスモデルの構築が困難と言われていますが、ビジネスモデルを確立し、収益を伴いながら、さらなる普及に努めて参ります。

[3]管理体制のさらなる強化
安定して高速な飛行を実現するためには、精密な計器と、熟練の整備士が欠かせないように、組織において、安定かつ高速な運営を実現するためには、人事、経理、財務、総務といった管理系部門の体制強化無しに語ることはできません。
今後、より大きく、より高速に事業を展開するためにも、管理体制を強化して参ります。


2019年7月31日以前の記事は、旧商号「株式会社ロックオン」で記載しております。