2021年7月、SNSと動画を活用したマーケティング支援事業を展開する株式会社トピカがグループに加わりました。

イルグルムが培ってきたデータとテクノロジー領域にトピカが得意とするSNSマーケティング領域を融合することで、新たなシナジーの創出を目指しています。

グループ参画から半年あまりが経った今、グループ参画にあった思いと参画後の変化。そして先に見据えるビジョンについてトピカ社長の麓に聞きました。

トピカは、動画とソーシャルメディアの力で話題が始まる場所を作り出すショートムービーマーケティングの会社です。総フォロワー100万人の男性向け料理動画メディア「GOHAN」SNSマーケティングの運用代行を行う「TOPICA WORKS」を中心に事業を展開しています。

トピカのミッションは、「話題が始まる場所を創り、ココロをつなげ、日常に彩りを」です。このミッションの背景にあるのは、家に引きこもってゲームばかりしていた中学時代にインターネットという環境に触れ、独学で作ったオンラインゲームを通してユーザーと繋がった原体験です。
ユーザーから「管理人さんこんなに面白いゲームを作ってくれてありがとうございます!」というコメントをもらって、自分が作ったゲームで人を喜ばせることができるんだと衝撃を受けましたね。

トピカという社名は、話題を意味するTOPICに、アルファベットの最初の文字であるAをつなげ、話題が始まるという意味です。哲学者のアリストテレスがトピカという本を出していて、それが日本語で場所という意味を持つことから、トピカには「話題が始まる場所」という意味を込めています。

話題の場所をたくさん作って、その中で生まれるコミュニケーションによって関わる人たちの負の感情をなくしていきたい。その手段としてSNSマーケティングと伝達力の高い動画というツールを使って事業を展開しています。

トピカは、男性向け料理レシピ動画サイト「GOHAN」から始まりました。
前職のゲーム会社を退職後、自分の能力と市場のニーズが最大値で交わる接点を探る中で、動画領域に着目したのがきっかけでした。
これまでの経験で培ったインターネットとエンターテイメントの知識を今後成長が見込まれる動画領域と掛け合わせれば、少額資本のスタートアップでもチャレンジできる余地があると考えたからです。

2016年当時は、女性向けの料理動画サイトが伸びている状況だったので、「男性×料理」なら今からでも伸ばせる可能性があると考え、独身男性向けに早くて安くてうまいレシピ動画がたくさん見られるSNSの分散型メディアを立ち上げました。

「GOHAN」を通して、SNSマーケティングの黎明期から約5年間積み上げてきた食に関するコンテンツ企画と制作の経験が、SNSマーケティング支援事業「TOPICA WORKS」に繋がり、今ではトピカの中核事業となっています。

食品や飲食業界で活躍する企業に対してSNSのマーケティングノウハウを提供し、新たなファンの獲得、育成、ブランドの認知向上に貢献していくことで、フードソーシャルマーケティングの分野でNo.1を目指しています。

トピカの社内には、調理師や管理栄養士の資格を持つ人や、食品や飲食業界でコンテンツ制作の経験を持つスタッフがいます。動画を制作する組織もあって、食品や飲食に特化した映像制作のノウハウも持っているので、これらの強みを活かして、お客様のファンマーケティングを加速させたいと考えています。

SNSマーケティング市場は、2025年には1兆円を超えるとも言われています。最近は、個人のクリエイターやフリーランスの参入も増え、案件の分散化が進んでいます。それぞれが業務拡大のために、小さいパイを取り合っている状況です。
大規模案件や独自のプロダクトを持つ会社と個人のクリエイターという二極化が進む中で、このままではどんどん大手との差が開いていくことが目に見えていました。

「話題が始まる場所をたくさん作るというミッションを達成するには、金銭的にも、人的にも資本が圧倒的に足りない。このままでは中途半端な成長で終わってしまうかも知れない。」
そんな危機感から僕らのノウハウを活かすことができ、シナジーが生まれる会社を探すことになり、イルグルムに出会いました。

面談の中で岩田さんの人を大切にする人柄に惹かれ、ここで貢献したいと思えたことが決断の決め手となりました。
イルグルムにはWeb広告におけるプロダクト開発ノウハウと顧客基盤があるので、SNS×広告の領域で新たなプロダクトを開発ができそうとも考えましたね。

イルグルム参画後は、毎週の経営会議を通して事業のフィードバックを頂いています。
経営会議で弱みと危機感をさらけ出したことがきっかけで、営業面では、イルグルムでは体系化されているけどトピカではまだ体系化されていない営業の仕組みなど、イルグルムが進んでいる部分をトピカに落としていくという作業を進めています。
資料作成、ロープレ、トークスクリプト、インサイドセールスの仕組構築、営業同席など、営業のノウハウに関するほぼ全てにおいて、欲しいと言えば教えてもらえる環境です。
マネジメント研修などの研修にも誘ってもらえるので、メンバーの成長機会も増えました。まだ途中段階ですが、イルグルムとの共同プロダクトの開発にもチャレンジしているところです。

以前は安心感がなくて、「明日会社がつぶれたら、お金がなくなったらどうしよう」と日々足元を見て経営をしていたと思います。
それがイルグルムに参画してからは、中長期のスパンで先を見る経営のやり方やそのためのフォローがあるので私自身の視線が大きく変わりました。まっすぐ先を見据えた経営ができるようになったので、あまり動じなくなりましたね。
グループの中での安心感も、大きなビジネスを作ってマーケティングテクノロジーで世の中を変化させていくという新しいミッションができたことも大きなポイントとなりました。

私だけじゃなくメンバーも、以前よりも生き生きと働くようになりました。M&Aに対して、誰一人ネガティブな反応はなくて、マーケットがトピカの価値を認めてくれたということで、みんなにとっても自信になっているみたいです。
参画以降、売上は伸び続けているし、メンバーも目に見えて成長していて、今とてもいい状態が作れています。

SNSと動画のマーケティングノウハウを土台に、3本の柱を立てたいと考えています。
一本目は、フードソーシャルマーケティング領域のNo.1、二本目は、大手事業会社と進めている採用マッチングサービス、そして3本目がイルグルムとの柱です。これからの2、3年でこの3つの柱を完成させることが今の目標です。

話題が始まる場所をたくさん作って、その中で生まれるコミュニケーションによって関わる人たちの負の感情をなくすために、これからたくさんのサービスを作っていきたいと考えています。

お話を伺って、「話題が始まる場所」を通して世の中に貢献したいという一貫した思いを感じることができました。これから様々なサービスを通してその思いが企業や個人の方に届くことを想像すると、とてもワクワクした気持ちになりました。

データとテクノロジーによって売り手と買い手の幸せをつくることをビジョンとするイルグルムと共通することが多く、トピカ×イルグルムのシナジーにも期待が高まります。
両者のアセットを活かして、広範な社会ニーズに応える総合マーケティングDX企業集団として提供価値の拡大に努めてまいります。