こんにちは、イルグルムのわです。

新型コロナウイルスの蔓延に対する拡大防止策によって、消費者の行動が日々変化する昨今。企業のデジタルマーケティングの在り方も大きく変わろうとしています。

この未曾有の状況下において、イルグルムが提供するマーケティング効果測定プラットフォーム「アドエビス」では、市場の変化やマーケティング施策に悩む企業が少なくないと考えました。
そこで、デジタル広告運用の最前線で活躍する広告代理店10社をお招きし、「コロナ禍で必要なデジタルマーケティングの打ち手」をテーマとした無料オンラインセミナーを、2020年6月1日より10回にわたって開催いたしました。

 
本ウェビナーは、世界的な変革期を乗り越えていくためのきっかけとして、当初の想定をはるかに超える、2000件以上の申し込みをいただいた、一大イベントとなりました。
今回は、本ウェビナー発案および企画を行ったイルグルムの石井が、ご登壇いただいた株式会社CyberACE 貫場様をお迎えして、企画を振り返りながら、イベントの様子をお伝えします。

 

株式会社CyberACE
マーケティング局 マーケティンググループ チーフアカウントプランナー
貫場 友介様

EC専属アカウントプランナーとしてアパレル、総合家電など幅広いジャンルを担当。
特にアパレル領域に強みを持つアカウントプランナーとして、現場での経験を重ね、2020年4月より営業局からマーケティング゙局に異動し、新規顧客の広告運用及び全体戦略立案に従事。2019年CyberACE総会にて社長賞を受賞。

株式会社イルグルム
パートナー本部 パートナーアライアンス部 部長
石井 文也

2017年4月に株式会社イルグルム(旧株式会社ロックオン)に新卒入社、国内トップシェアを誇るアドエビスの新規営業に従事。入社後3年間で課されたすべての営業目標を超過達成し続け、2018年にはイルグルム史上初・最速となる18期全社MVPと新人賞をW受賞。その功績とチームで成果にこだわる姿勢が認められ、歴代最速で課長、部長に就任し、現職。

―今回のイベントのきっかけをおしえてください。

石井: 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府が4月に発令した緊急事態宣言後、日本中で在宅中心の生活や業務が本格始動しました。
消費者の行動や企業間のコミュニケーションにも、大きな変化がもたらされ、プロモーション手法や広告出稿の在り方自体を見直される企業様が続出しました。

この状況を受けて、「アドエビス」の販売代理店様(以下、パートナー企業様と記載)のご担当者様からも、不安な声やご相談を多くいただくようになり、日頃からお世話になっているパートナー企業様に対して、「この有事を、お客様への恩返しやご支援の機会にできないか?」と考えたのがきっかけです。

 
―実際のイベントはどのような企画になりましたか?

石井: パートナー企業様の多くは、デジタル広告を取り扱われる広告代理店様で構成されていたこともあり、「デジタル広告運用の最前線の声」を市場の皆様へお届けすることが、大きな市場の変化に対して価値のある情報発信になると考え、本イベントを企画しました。

これまで、当社ができることは「原則、自社製品を通じた価値提供である」と考えていたのですが、本企画は「パートナー企業様のPR活動」を間接的にご支援させていただく位置づけとなっており、当社としても新しい価値提供の方法を見つけることができたのではないかと考えています。

 

 
―実際の運用現場では、どのような影響を感じられていたのでしょうか?

貫場様(以下、敬称略): 運用現場では、コロナの影響値を非常に大きくに感じていましたね。今回登壇いただいたSABON Japan様では、今までと同じような広告配信を行っているにも関わらず、CVRが日に日に上がり、実際のサイト流入数も増えていたんです。
生活様式の変化による在宅需要の加速を感じ、すぐに「コロナシフト」の体制を整えるべく、推測シミュレーション作成を行い、運用戦術を転換して実績を伸ばしていきました。

 
―そのようななか、ウェビナーはどのような場になると思われたでしょうか?

貫場: 今回、コロナという例外的な外部環境にも関わらず、リアルタイムで効果を出せたのは、今年の頭に年間の配信目標値、配信方針、KGIを決めたことが大きかったかなと。
基本の戦術と配信ナレッジがベースにあったことで、実績を伸ばすためにどこに運用レバーがあるか、具体的な戦術転換をスピーディーに決定することができました。
実績が蓄積されたこともあり、弊社としてもインパクトが大きかったのは間違いないので、今回は、SABON Japan様もお招きして、リアルなEC運用者の運用現場を通して、運用戦術の変化を視聴者の方にお伝えできる場になると考えていました。

 

 

―パートナー企業様、企業様それぞれの反響はどうでしたか?

石井: イベントのプロモーションに関しては、登壇いただいたパートナー企業様にも多大なるご協力をいただいていたので、一定の申込は想定していたのですが、ふたを開けてみると最低ラインの4倍以上の応募をいただいており、正直驚きましたね!

ゴールデンウイーク明けに企画立案を行い、そこから約2週間で登壇企業様へのお声がけから特設サイトやバナー、お申込みフォーム制作を行ったのですが、2週間でこれだけご注目いただけたので、もう少し時間をかければ、より多くの方にご参加いただけたのではないかと考えています。

 
―どの様な点がポイントになったと感じられましたか?

石井: 「国内屈指のネット専業広告代理店10社様に、10日間連続でウェビナー登壇をいただく」という点が、過去にも例がない取り組みであったことが一番だと思います。
また、聴講側である広告出稿をされる皆様の多くが、本情勢におけるプロモーション手法に関する情報を求められていたということ。この2点が、たくさんの方にご注目いただいた、大きな要因と考えています。

今回、「コロナ禍で必要なデジタルマーケティングの打ち手」という全体テーマに対して、サイバーエース様には「リアル店舗からのデジタルシフト戦略」というテーマでご登壇いただきました。ウェビナーに申し込みいただいた方からは、「リアル店舗とデジタルのオムニチャネル化を実現したい」「社内にもデータ量は多くあるが、それぞれが分断されており、顧客に対して適切なアプローチが出来ていない」など、ECの運用現場の実例に対して、期待の声が多く寄せられていました。

 
―「コロナ禍におけるリアル店舗からのデジタルシフト戦略」というテーマを通して伝えたかったことを教えてください。

貫場: 過去担当したお客様は実店舗をお持ちのアパレルEC企業様が多かったんですが、実店舗とECを連携させるのは、どの企業様でも永遠のテーマであると感じていました。
基本的にアパレルの場合は、実店舗の売上が売上全体の6~7割を占めることが多いので、販促担当者様が強いんです。
ECはどちらかというと実店舗を補完する位置づけとしてお考えの企業様が多い印象です。
その点、SABON Japan様では、実店舗とECのマーケティング担当者様の距離感が近かったたこともあり、実店舗閉鎖の危機的状況から、販促費用をECに投下するという意思決定がスピーディに行われたことが、コロナによる在宅シフトにおいても実績を伸ばした大きな分岐点になったと感じています。「ECの重要性」という観点で、この成功事例が多くのECを扱う企業様にとって参考になればと思いこのタイミングで事例をお伝えしたいと考えました。

ウェビナーの様子


また、弊社CyberACEが得意とする、事業全体の戦略についても紹介させていただきましたが、ECだけでなく、店舗での購買データに対してもアプローチして、ユーザーがどのような購買活動を行っているのか、販促とECを掛け合わせた中で、サボンオールで売上を最大化させる仕組みの設計について、関心をもっていただけたのではないかと感じています。

 
―実際にどのような場になりましたか?

石井: ウェビナーでは、実店舗における売上比率が高かったSABON Japan様において、どのようにデジタルシフトを推進したか?を、当時の体制やプランニングの裏側を含めてお話しいただきました。
講演を拝聴させていただいた中で印象的だったのは、広告主であるSABON Japan様と、広告代理店であるCyberACE様の関係性についてです。
10回のウェビナーの中でも唯一、広告主様とともにご登壇いただき、緊急事態宣言の発令直後のやり取りなども、回想いただくシーンがございました。「二人三脚でともに乗り越えた感」というか、両社の発言の節々に強いリスペクトの気持ちを感じることができました。

未曾有の事態において新たな取り組みを推進していくうえでは、自社のアセットだけにこだわるのではなく、パートナー企業様との協働も含めた広い視点で、できることを考えることが大切なんだと感じることができ、パートナー企業様とのお付き合いの仕方を見つめ直すきっかけになった方も多いのではないか?と思います。
 

 
実成果に関しても、右肩上がりのグラフが多く、CyberACE様がスピード感のあるPDCAを回されていたことは容易に想像でき、そのスピードを担保するには、SABON Japan様との信頼関係が不可欠であったと感じました。

ウェビナー冒頭のアンケートの中で、参加者様ご自身も消費者としてECを利用されるケースがこれを機に増えていて、今後も継続されるという意向もいただいており、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増える中で、素晴らしい事例をお話しいただけたと思います。

 

 
―今後デジタルマーケティングはどう変わっていくとお考えでしょうか?

貫場: 従来より、弊社の強みである「オンライングロース」の観点をより推進していきたいという想いを強く持っていました。
新型コロナの発生によって、偶然にも在宅ユーザーが増え、
リモートワーク文化も自然と定着しています。この機会を追い風ととらえて、
BIツールの活用を促進し、オンライングロースを積極的に導入することで生み出すことのできる「時間」をお客様の成果向上のためにあてていきたいと思っています。

私自身は、ECを担当するにあたっての最大の課題は、「店舗ユーザーの可視化」が重要になってくると考えています。
現状では、店舗来店ユーザーの来店履歴をデータ化して追うことは難しい状況です。
これには複数の要因がありますが、弊社で担当させていただくお客様の場合はシステム導入にかかる工数が一番かなと思っていますが、店舗、ECを連携させて、その上で購買データを活用して配信に活かすのはハードルが高いなと・・・。
具体的な施策は長くなりそうなので割愛しますが(笑)、デジタル広告運用がいつの間にか当たり前の世界観になったように、まもなくオフラインがオフラインではなくなり、今で言うオフラインに当たる実店舗にも運用型の世界感が出てくると思っています。

 
―今後アドエビスとしてどのような機会を提供していきたいですか?

石井: 私個人も、今後は、デジタルやアプリ、店舗のPOSデータを含めた「統合型マーケティング」へ挑戦するマーケティング担当様が増えていくと考えています。アドエビスとしても、ウェブブラウザ上のユーザー行動データが正しく計測できるという強味にはこだわりつつ、DXの流れを考慮し、外部データとの統合を行う際に「データの連携や受け渡しがしやすいか?」というところにも注力していきたいですね。パートナー企業様と共同で、広告主様の課題解決に取り組みながら、先進的な事例をつくっていきたいです。

貫場: アドエビスは、各媒体の間接的なCVの貢献度を可視化できますよね。ラストクリックベースだと正直わからないアトリビューションの観点を、それぞれ数値でみることができるので、お客様に対して「多分効果出てますね」ではなく、具体的な広告効果を実績ベースでお話できるので、今後さらに活用機会が増えるのではないかと思います。

石井: お客様と共通のデータや指標を見ながら、コミュニケーションができるということですね。多くのパートナー企業様から、アドエビスを利用することで、お客様との「共通言語」が確立できた!というお声をいただいており、嬉しく思います。

 
―改めて、今回の企画はいかがでしたでしょうか?

貫場: SABON Japan様との関係性を深めることができた、いい機会でした。
視聴者向けには、リアルな現場の実例を提供できる機会をいただくことができたのではないかと思います。
実際に現場の最前線で戦っている担当者様の声とともに届けられたのは、CyberACEとしても私個人としても嬉しかったですね。

石井: ありがとうございます。私としてもこのような企画を遂行するのははじめてでしたが、多くのパートナー企業のご担当者様にご賛同いただき、また、社内のメンバーの協力を得て実施することができました。
この企画を通じて、一人でも多くの方に、目標達成や課題解決につながるきっかけやヒントを提供できておりましたら嬉しいです!
次回以降も、よりよい機会を作っていければと思っています。今後とも、よろしくお願いいたします。

コロナ禍によって消費者の行動が劇的に変わるなか、市場の変化をいち早く捉え、マーケティング施策をどう変化させたか、具体的な事例を企業様と広告運用代理店様それぞれの視点から惜しみなく共有いただき、貴重な事例として、聴講者からは質問も多く寄せられました。

ニューノーマルが次々と更新されていくなか、お客様に対して、マーケティングに対して、社会に対して、私たちになにができるのか。
イルグルムでは今後も、デジタルマーケティングの最前線をになうツールベンダーとして、世界的な変革期を乗り越えていくきっかけを提供してまいります。