こんにちは、イルグルムのわです。

SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスの重要性が語られるようになって久しいですが、イルグルムも例外ではありません。2017年のチーム立ち上げ当初は2名だったメンバーも、今では10名を超える規模となり、日々お客様を成功に導くサポートをしています。

今回はチームの発足から携わり、今ではアドエビスのカスタマーサクセスを語る上で欠かせない存在となったメンバーに、カスタマーサクセスの存在意義や心得について聞いてみました。

――まず、イルグルムに入社するまでの経歴を教えてください。

大学卒業後、新卒で大手証券会社に入社して、主にお客様の投資に関する相談業務をしていました。お金の相場って、生きているみたいにめまぐるしく変動していくんですよね。そういった状況下で、財務指標を見たり過去の事例から値動きを予想して、お客様の投資を成功に導くことにやりがいを感じていました。
営業成績を積み、2年目には早くもチーム内で売上責任を持つポジションも経験させていただいたんですが、お客様を成功に導く要因である値動きは、自分ではどうしようもなくて。自分の仕事とお客様の成功が直結する仕事がしたいと思い、転職を決意しました。

――なぜ、金融業界からIT業界へ?

私が転職活動をしていた2014年は、IT系企業の上場が相次ぎ、盛り上がっていた時期で、その中にイルグルムの名前もありました。海外を見ても広告系企業の決算が伸びていて、実はアドテク業界って面白いんじゃないかなと思いました。

――入社の決め手はなんだったのでしょうか?

現場に立つ営業メンバーやマネージャー層から話を聞く中で、お客様のことを一番に考える営業スタイルだと感じたからです。仕事をする上で最も大切にしている部分でもあったので、安心できました。また、メンバーを大事にする社風からも、お客様のことも大事にする会社だろうと確信できたので、まったくの異業種で会社規模もかなり違いましたが、チャレンジしてみることにしました。

――入社後の仕事について教えてください。

入社後は、カスタマーサポート部門に配属され、主に機能面のお問い合わせ対応をしていました。最初はとにかく「用語の違い」に苦労しましたね。扱う用語に対する知識がないうえに、同じ言葉でも、人によって解釈が微妙に違っていて、すごく戸惑ったことを覚えています。わからない用語はとりあえずメモして後から先輩に聞くという、英語を初めてリスニングするときのような、そんな感じでした。(笑) 1年くらいは先輩たちを質問攻めにしながら、お客様が求められていることを正確に捉えることを意識して取り組みましたね。

徐々に仕事の範囲を広げて行く中で、蓄積されたデータをどう使えばいいか悩んでいるお客様がいらっしゃることに気がつきました。そのことに気づいてからは、積極的にお客様の活用状況をヒアリングして、その傾向を分析し、課題と改善点を検討してチームへフィードバックするようにしていました。あまりのフィードバックの多さにきっとチーム内では「どんだけ改善要望あげんね~んっ!」って思われていたはずです。(笑)とにかくお客様が何に困っていて、どうしたら解決できるのかにこだわっていました。その経験が今につながっていると感じています。

――現在の仕事についても教えてください。

2017年にカスタマーサクセスチームを立ち上げて以来、3年以上アドエビスの活用を通してお客様のマーケティング活動を支援するカスタマーサクセス(以下、CS)に携わっています。お客様に継続してアドエビスをご利用いただけるようにお客様と対話しながら、いただいたご意見を製品の改善につなげたり、さらなる活用をご提案するお仕事になります。
CSとしての経験が社内で一番長いこともあり、詳細なデータ分析やツール連携をご希望されるお客様に対するハイタッチ支援の他に、事例作成や社内へのノウハウ還元、他部門の支援など幅広いミッションを持っています。
担当するお客様はマーケティングに精通されている方が多く、解決したい課題も千差万別なので、お客様ごとに新しい活用方法を一緒に考えることが多いです。分析レポートや外部サービスとの連携など、社外のサービスも含めて提案するケースも少なくないので、この点は他のCSメンバーと少し違う動きをしている部分となります。お客様の先進的な活用方法は社内に共有し、すでにある機能については新しい活用方法と示唆を提示することで、プロダクト進化の種の発見にも貢献していけたらと思っています。

――ハイタッチ領域を担当する上で心がけていることは?

「目の前のお客様を大事にすること」です。既存のソリューションに当てはめるのではなく、お客様が実現したいことをベースにどんな価値を提供できるかを考えるようにしています。
そのために欠かせないのがお客様の状況把握と日頃からのマーケティング知識の収集。お客様の状況をインプットしておくことで必要なタイミングで適切な支援ができるようになり、日々知識をアップデートするくことで提案の引き出しも増えると実感しています。
おかげで新規提案を採用していただくことも多いのですが、その秘訣はお客様がおっしゃっていたことを聞き逃さず覚えていることに尽きると思います。証券会社時代は600人程の顧客情報を頭に叩き込んでいたので、今でも200人くらいのCRMデータが常に頭に入っていていつでも取り出せる状態になっています。ノウハウというほどではないですが。(笑)

――知識収集はどのようにしていますか?

主にTwitterとnoteを活用しています。通勤時間はTwitterを使った情報収集に当てていて、他社の情報をキャッチするだけでなく、自らも積極的に発信するようにしています。共感してもらえたり、ほめてもらえたり、違う視点でフィードバックやアドバイスをもらえるので、情報は発信する人のところに集まることを実感しています。

Twitterを通して知り合った他社のCS担当者やマーケターと一緒に勉強会を実施したり、企画を考えたりすることもあります。社外で活躍するみなさんとの交流は、成功事例だけでなく、つまづきやすいポイントや実践的なHowToが聞けるのでとても刺激になります。

CS向けのイベントにも多数登壇している渡部

――渡部さんが考えるCSの醍醐味はどんなところですか?

お客様のマーケティング活動の支援を通して短期的には会社の売上アップに貢献し、長期的には、ユーザーの声を社内に共有することでお客様への継続的な価値提供に貢献できるところだと思います。CSの支援によってお客様のLTVが向上すれば、会社として選べるマーケティング手法が増え、結果的に会社の成長にも貢献することができるので、SaaSビジネスにおいてCSはますます重要なポジションになりつつあると感じています。
最近では、CSマネージャーを目指す学生さんも増え、憧れの仕事として認識してもらえるようになったことも嬉しいですね。

――CSに力を入れる企業が増えるなか、アドエビスのCSならではの面白さは?

いかようにも調理できる「データ」があることだと思います。デジタルマーケティングにおけるCSの役割は、マーケティングデータをどのように活用するかを考えることに尽きると思います。そのために欠かせない「精度の高いデータ」をもとにお客様の意思決定をサポートできるのは、アドエビスのCSだからこそできることだと思います。
あとは、「売上に近いところ」でサポートができる点です。マーケティングの改善は、お客様の売上に直結するので、お客様のビジネスへの影響も大きいところにやりがいを感じます。

――今後さらに挑戦してみたいことは?

3年間さまざまなお客様を支援するなかで得た気づきを社内外にもっと発信していきたいと考えています。ご利用中お客様に対しては、悩み別にすぐに使える活用方法をまとめたコンテンツの発信を、社内に対しては、ナレッジ共有を通したセールスとCS連携強化を進めていきたいと考えています。

データから新しい示唆を見つけるのが好きなので、私自身の目標としてはより高度な分析ができるようになりたいです。データを使ってこれまで以上に高い価値をお客様に還元していけたらと思っています。

VOC(Voice Of Customer)をテーマにしたLT大会の様子

お客様のちょっとした一言も聞き逃さず何ができるかを考え抜き、新しい価値提供のために努力を怠らない姿に、カスタマーサクセス魂のようなものを見えた気がしました。
自身の活動範囲を社内に限定しない領域を超えた活躍が今後も楽しみです!