イルグルムには、年に1回、9日間の連続休暇を取得する「山ごもり休暇制度」があります。
全社員の取得が義務付けられ、休暇中は会社と一切連絡が取れないことが大きな特徴で、「山ごもり休暇」という名前の由来となりました。

有給取得の義務化や働き方改革を推進の事例として、ここ数年メディアで取り上げていただく機会が増えていますが、実はこの制度が始まったのは2011年。働き方改革が注目される前から導入されています。

山ごもり休暇の過ごし方については、これまでも度々紹介してきましたが、今回は少し角度を変えて、制度導入の背景と効果について人事戦略室の廣さんに聞いてみました!

山ごもり休暇を導入したきっかけを教えてください。

制度導入前は少数精鋭で一人が担当する業務の幅が広く、担当者にしか分からない業務が多い状況でした。特定の人にしか分からない業務が多いことは、会社にとっては経営のリスクになりますし、社員にとっても休暇取得の妨げになることから、当時の状況を問題視した役員の発案で、山ごもり休暇制度が導入されました。
休暇の取得を義務化することで、休みやすい環境を作ると同時に、仕事の引継ぎを発生させることで業務を見える化することが狙いがあります。
また、休暇中は会社と一切の連絡を禁止するルールも設け、「引継ぎの徹底」と「仕事から離れた心からのリフレッシュ」を促しています。

制度を導入してから、実際どんな効果がありましたか?

当初の狙い通り、業務の共有が進み、属人化の解消に役立っています。
有給取得も進み、制度導入当初に比べ、取得率が約50%上昇しています。業務の属人化を排除が、社員一人ひとりの働き方や休み方改革につながり、組織全体としても生産性が向上したと感じています。

実際に休暇を取得して、感じることは?

これまで3回、山ごもり休暇を取得していますが、毎回めちゃくちゃ楽しみです。(笑)
仕事が好きなので、仕事を休みたいと思うことはないですが、新しい国を旅する前のワクワクした気持ちは仕事を頑張るモチベーションになっています。

山ごもり休暇は海外に行くと決めていて、1年目はセルビアとモンテネグロとクロアチア、2年目はロシアとキルギス、3年目になる今年はケニアとウガンダ、ルワンダに行ってきました。世界地図を広げて、行き先と旅のプランを考える時間がすごく好きです。旅は心身共にリフレッシュできるし、気づきもたくさんある。それを年に1回経験できるので、人生が豊かになっている気がします。

今年訪れたケニアでは、現地の日本人起業家に会って、たくさん勉強させていただきました。頑張っている人に会ったり、その人の話を聞いたりすると、自分も頑張ろうと思えるので、それも山ごもり休暇のいいところなんじゃないかと。
業務的な面では、山ごもり前後の引継ぎが年々うまくなっていて、効率よく仕事の共有と見える化ができるようになったと感じています。

今後に向けて、さらなる進化や狙いなどがあれば、教えてください。

山ごもりの情報共有はもっと密にしていけたらいいなと思います。以前は、締め会等で山ごもり休暇の過ごし方を発表していて、先輩の発表がクロアチアに行くきっかけになりました。休み方のヒントを得ることができたり、旅先の情報を収集できる機会にもなると思うので、もっと広げていけたらいいなと思います。
人事観点では、社員規模が今以上に大きくなっても、山ごもり休暇が本来の姿で運用されるように環境を整備していきたいですね。

年に1回、仕事から完全に離れて過ごす9日間の休暇。
ONとOFFを切り替え、心からリフレッシュできる休暇は、公私ともにいい影響をもたらしているんだなと改めて感じました。
イルグルムのわでは、これからの社員の山ごもり休暇の過ごし方を発信していきますので、休み方のヒントにしていただけたら嬉しいです。