先日、当社が提供する「アドエビス」が国内効果測定ツールでは初めて独自開発の人工知能を搭載した「クロスデバイス機能」をリリースしました。

機械学習を使った新機能の開発プロジェクトを支えた立役者の一人が入社2年目エンジニアの内藤です。
今年の7月27日に行われたITエンジニアの祭典「Developers Summit 2018 Summer(以下、デブサミ)」では登壇も果たし、社内外にその存在をアピールしました。

文系出身の2年目エンジニアの内藤が、どのようにしてプロジェクトの中心的な役割を担い、成長できたのか、その核心に迫りたいと思います。

内藤 勇之助
データ分析専攻。インターン生として学生時代からアドエビスのデータ分析に関わる。
2017年新卒入社。入社後はマーケティング効果測定プラットフォーム「アドエビス」の開発に従事し、外部サービス連携やマスターデータベースのバージョンアップ等の開発に携わる。


――「クロスデバイス機能」の開発プロジェクトはどんなプロジェクトでしたか?

デバイスやブラウザを横断するユーザーの動きを類推によって可視化するもので、自社開発の人工知能を搭載したクロスデバイス機能は、国内計測ツールとしては初めての試みでした。国内とベトナムの子会社をあわせて総勢15名以上の開発メンバーが関わったビッグプロジェクトで、プロジェクト期間は3ヵ月。初めての試みが多かったので、少々ハードなものでした。
国内のチームメンバーは5人で、その中で私は機械学習を使った分析を実行するための基盤設計とその実装を担当しました。大量のデータ処理を短時間で行うには、これまでとは違う基盤を用意する必要だったので、サーバーやOSの選定からアルゴリズムを実装するためのコーディングまでを一通り担当した形です。

――2年目で注目プロジェクトのコアな部分を担当することに不安はなかったですか?

未経験の領域だったこともあり、新しいことばかりで未知数な部分が多かったので、不安はありました。でもその分、自由もあって、「そこを2年目に任せてもらえるんだ」というところも面白かったです。
全くゼロベースでのスタートだったので、まずは大まかな計画を立てるところからスタートして、分からないところはチームメンバーや社内の詳しい人にアドバイスをもらいながら設計を進めていきました。私自身、インフラや今回使用したAmazon AWSというクラウドサーバーの知識がほぼなかったので、毎日が勉強の日々でした。大変でしたけど、同時に刺激的な時間でもありました。

――もっとも苦労したことは何ですか?
難しいことはたくさんあったんですが、中でも性能の改善が最も時間がかかって大変でした。100社分のアカウントを4時間以内に分析できるようにすることが要件だったのに、実際やってみたら1社だけで40分もかかってしまって。100社で60時間以上という要件から桁外れた速度になっていました。
そこからは、ひたすらAmazon EMRの使い方や基盤設計そのものを見直したり、一つ一つのSQLをチェックしては修正したりと、地道な作業をひたすら繰りかえしました。実はこの経験をデブサミのイベント登壇の際にもお話させていただいてます。

――デブサミへの登壇について詳しく教えてください。

7月に行われたデブサミで「メモリも、僕のキャパシティも溢れっぱなし。。2年目エンジニアが実現した機械学習」というテーマで、登壇しました。イベント登壇もまた初めての経験でした。
登壇に当たっては、機械学習をサービスに取り入れているという事実もそうですが、同世代の若手エンジニアにとって親近感と刺激を感じていただける内容にしたいという思いがあって。文系出身でしかもエンジニア歴は2年目なので、そんな若手でも頑張ればできるんだというところをお伝えできればと思いました。

機械学習に必要な基盤設計時の苦悩と工夫を共有しました

イベントでは『BIG DATA120億超』のオリジナルビスコを配ってアピール

――登壇してみてどうでしたか?

やってよかったと思います。登壇したことで、アプトプットの大切さを改めて実感しました。インプットするだけだとすぐ忘れてしまうけど アウトプットすることでここまでやってこれたんだと実感できて、今後のモチベーションにもなりました。
私のセッションを聞いてくださった方から、「若手が頑張っているね」とアドバイス頂いたり、「私も同じ苦労をしているから共感できる」と話かけていただけたり、同年代のエンジニアから「同じ2年目として刺激を受けた」などの声をいただけたのは、とても嬉しかったです。これからもっと頑張ろうという気持ちになれました。

会場にはたくさんの方にお越しいただきました

登壇後にはたくさんの嬉しいフィードバックも

――エンジニアとしてアドエビスの開発に携わる楽しさはどこにあると思いますか?

携われる仕事の幅の広さですね。プログラムを書くところから、データベースやインフラに至るまでか幅広い分野に携わることができるところが醍醐味だと思います。実際に今回の開発でも、インフラを考え、データベースを使い、プログラムもたくさん書きました。

――今後はどんなエンジニアになりたいですか?

今はまずエンジニアとしての一人前の技術を追い求めて、新しい技術はどんどんキャッチアップするというスタンスで頑張っています。今後に関してはまだ迷っている部分はありますが、技術じゃなくて製品がどうあるべきかを考え、リードできるエンジニアでいたいと思っています。ただコードを書くだけなら将来AIや機械がやってくれるかも知れないけど、こうあるべきだという方向性を考えることができるエンジニアはこれからも必要な存在だと思います。まだまだ道は険しいけど、徐々に手を伸ばしていきたいです。

今回のプロジェクトチームのPMとして、内藤を登壇者として推薦し、成長を後押ししてきた開発部のジョ ライアンにも話を聞いてみました。

――プロジェクトのコアな部分を、若手に任せることに不安はなかったですか?

不安は特になかったですね。「今までやったことがないことなので、全くのゼロベース。何もないけど、自分で考えてやってみてもらえますか。」とお願いした時に、「分かりました。やってみます。」と答えてくれたので、任せてみてもいいんじゃないかと思いました。技術は後からでも習得できるけど、彼のような度胸は簡単に身に着くものではない。そこが大きな信頼につながりました。

――登壇者として推薦した理由は?

機械学習の分析処理に関する機能を内藤さんがほぼ一人で担当してくれたというのもありますし、せっかく学んだことをアウトプットする場所を提供したいという気持ちもありました。その方が本人の成長とモチベーションにつながると思うので、いい機会だと思いました。

――最後に内藤さんに一言お願いします。

今回のプロジェクトとデブサミの登壇を通して、見える世界が大きく変わったのではないかと思います。次のプロジェクトに入る時に、以前に比べて何段もレベルが上がっているのを見ると嬉しいですね。仕事をしている中でも一番幸せな瞬間ではないでしょうか。これからも挑戦して、刺激を受けて、さらに成長して欲しいと思います。